ラヴェル作曲の好きな曲の中のひとつだ。
どの和音の響きもどこか少し不安定で美しい。
たくさんの色が重なり合って、繊細で微妙な色彩をあらわすように、この曲は本当に美しい絵画のようだ。
僕は雨のふる寒々とした景色をながめつつ、この曲を聴いている。
僕のイメージでは、なぜか枯葉を踏みながら銀杏並木を歩いている感じだ。今、少し寒いからかもしれない。
枯葉の舞い散るのが美しく物悲しい。
この曲は、ラヴェルの20歳のときの作品らしい。
20歳の彼はなにを想ったんだろう。
冷たくくもった窓からの景色が、どこか遠く思えた。
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